公正証書遺言にはどのような特徴があるか?

近年、公正証書による遺言書を作成される方が増えています。
これは公正証書遺言という方式によるもので、遺言者の依頼に基づき、公証人が作成する公文書による遺言方式です。

この公正証書という仕組みは、遺言書のほかにも、不動産売買契約、賃貸借契約、任意後見契約など、重要な法律行為にも広く利用されており、形式的証明力が認められ、極めて強力な証拠力を有します。

ここでは、公正証書遺言にはどのような特徴があるのか、法務局の自筆証書遺言保管制度を利用した自筆証書遺言と比較してみます。

項 目公正証書遺言自筆証書遺言(法務局保管)
概 要公文書のため証拠力が非常に高いが、費用は比較的高め手軽で柔軟だが、内容の不備により執行時のリスクが残る
作成者公証人遺言者本人(全文自筆)
作成方法公証人に口述、または専門家作成案を基に作成本文は自筆。財産目録はパソコン作成可
立会人証人2名が必要不要
内容の有効性
(法的確実性)
公証人が内容を確認するため確実性が高い法務局は形式のみ確認。内容面で無効となるリスクあり
遺言開始後の検認不要不要
遺言執行の円滑さ金融機関・法務局での手続が円滑金融機関で手続に時間を要する場合あり
原本の保管公証役場法務局
紛失・改ざんのリスクなしなし
判断能力の証明公証人が直接面談して確認判断能力を巡り争いになる可能性あり
費用高め(公証人手数料+専門家報酬)低い(3,900円+専門家報酬)
修正・変更再度、公証役場で手続が必要撤回し、再作成して法務局に再提出
遺言の存在通知なし(相続人が公証役場で検索)あり(指定された方へ法務局から通知)
公正証書遺言が適している場合
  • 不動産、事業用資産、骨董品など、評価や分割が難しい財産がある
  • 認知症など判断能力低下のリスクがある
  • 遺言者が高齢、または病気療養中
  • 相続人が多く、紛争の可能性がある
自筆証書遺言(法務局保管)が適している場合
  • 財産内容が比較的単純(預貯金が中心など)
  • 遺言者が心身ともに元気で、手書きが可能
  • 相続人が少なく、関係が良好
  • まずは「遺言を残すこと」を優先したい場合

遺言の方式を選択するにあたっては、
相続人同士の関係相続財産の内容や金額分配方法など、さまざまな事情を総合的に考慮することが重要です。

最終的な目的は、遺言者ご本人の意思が、確実かつ円滑に実現されることです。
それにより相続人の負担が軽減され、遺言者ご本人も安心して老後を過ごすことにつながります。

当事務所では、状況に応じた遺言方式の選択から作成支援まで行っていますので気軽にご相談ください。